プーライフ

ベッド上収納のような不可能と誰もが思っていた非常識克服の日々を綴ったブログ。これは無理だ!という無謀なチャレンジに打ちのめされては立ち上がる著者の奮闘はいかに!そして、サラリーマンを脱落した著者のモチベーションは、いったいどこまで続くのか!グッジョブ、著者!&おつかれどんっ。∠(∵)

熱海・伊豆半島の生物とカブトムシの亜種

日本国内に生息しているカブトムシの種類は2種、4亜種だそうですが、実はもう1種います。
亜種固有種だと思いますが、地元ではその長いツノから「ナタ」と呼ばれていました。

ヤマトカブトムシとの違いは角の長さです。普通のカブトムシに比べて2倍以上ツノが長いのです。亜種なのか変種なのか当時は分からなかったのですが、その地域では固有の名前を付けて区別されていた事と、戦前から地元では毎年一定数採取されていたことからアルビノ等の突然変異で無いことは明らかです。

↓ナタカブトムシのイメージ合成です(盛って無いですよ。ツノの先端は少し盛りました…)
カブトムシの亜種・固有種:ナタカブトムシのイメージ

熱海から南の伊豆半島はヤマトカブトムシとの交雑が進んでいる事と、その生息地が今では軽井沢のような別荘地になってしまった事から、絶滅してしまったかもしれません。しかし別荘地になってしまった生息地の奥は道も無いような深い山なので、本気になって捜索したら捕獲できる可能性は十分あります。熱海に虫捕りに行く人はいないと思いますが、熱海あたりで案外すごいカブトムシが捕れるかもしれません。

ナタカブトムシは地元の子供にも滅多に捕れないムシキングでしたが、子供の頃、父と虫捕りに行った際に一度だけ捕りたてを見たことがあります。その日、小学生の私はオオクワガタを捕まえて得意満面だったのですが、ナタには一瞬で完敗しました。
砂利道でですれ違った3人の子供に父が声をかけたのです。

「とれたあ?」
「今日は一匹だけ」

緑色の小さな虫かごに入っていたカブトムシは、小ぶりで色も赤茶色でしたがツノが胴体とほぼ同じ長さの本物のナタのオスです。
「オレははオオクワガタを捕ったどー」などと自慢できませんでした。父は子供のころから見慣れていたせいか、「ほー、ナタだな。すごいねえ」と言ってカゴから取り出して私の目の前で見せてくれました。

小さな赤いカブトムシを見て息がつまりました。本当にいたのか、日本のカブトムシにもヘラクレスオオカブトに負けない、おバカなツノを持っているすごいカブトムシが。

父は「ナタは昔から珍しくて捕れねーんだよ、毎年一人一匹ぐらいしか捕れねーんだよ。何年ぶりかなあ、25年ぶりに見た。このへんにはまだ探せばいるんだな」と。

なぜコイツはそんなに長いツノを持っているのか、なぜ日本の普通のカブトムシはツノの長さがほぼ同じなのか、小学生の私には理解出来ませんでしたが、今はネットで何でも解ります。でも当時は赤茶色の小ぶりなカブトムシに只々圧巻されたのを良く覚えています。

生息地の伊豆半島は暖かい地域なのでクワガタムシはたくさん捕れましたが、なぜかカブトムシはあまり生息していませんでした。クワガタはザクザク捕れるが、カブトムシはひと夏で2~3匹しか捕れないような地域です。伊豆半島にカブトムシが少ない理由は謎ですが、伊豆半島の成り立ちと関係があるかもしれません。

ヤマトカブトムシ

つまり、カブトムシは体が重い。体が重いので遠くまでは飛翔できない。カブトムシは自力では海を渡れない。島にカブトムシがいる場合は、流木にでもしがみついて運良く辿り着いて来た個体の子孫だと考えられる。伊豆半島は元々フィリピン海プレート上の島だった。絶海の孤島だったのです。

伊豆半島は現在の伊豆諸島 父島のようにかつては南洋にあった火山島で、プレートの北上に伴い約60万年前本州に衝突して誕生したそうです。[1]
60万年前までは本州とは隔絶された沖縄より大きな孤島だったわけですから、亜種が存在していても不思議ではありません。かつて大陸や日本と陸続きだった琉球諸島でさえ、オキナワカブトムシのような亜種が存在します。

カブトムシの雄の角は、雄同士の闘争では長い方が都合が良く、天敵から狙われるのを避けるには短い方が良いそうです。[2]
天敵とはタヌキやハシブトガラスですが、最大の天敵であるタヌキは現在でも伊豆七島には分布していません。

伊豆にはリスがたくさんいます。今ではタヌキもいます。でも伊豆諸島にはいません。伊豆諸島は100万年前はガラパゴス諸島だったのだとWikipediaから学びました。

伊豆の生物相 リス

伊豆半島の生物相が元々海洋島へ漂着した生物を起源としているのなら、伊豆半島が本州に衝突するまでの間は、天敵のタヌキが居ませんから雄同士の闘争で有利な角の長い個体が優位に立ち、どんどん角が伸びる方向に進化したとは考えられないでしょうか。

四方を海に囲まれた島という独特の条件下では種分化の速度は格段に早まるそうです。
「天敵から目立つ」という理由で程よい長さに保たれていたカブトムシの角が、天敵から身を守るという制限が無くなり、リミッターが解除されたとしたらどうなるでしょう。

雄同士の闘争に有利な角の長い個体群の遺伝子が、少なくとも60万年前までは天敵のいない一方的に有利な状態にあったとしたら胴体と同じかそれ以上に長い角を持ったカブトムシが出現しても不思議ではありません。

その遺伝子は土地に適しているので、まだ日本列島と衝突する前の大きな島では固有種として分布・定着したのでは無いでしょうか。

伊豆半島の条件をインプットしてスパコンにでも計算させてみれば上のイメージ写真以上のカブトムシが誕生するかも知れません。

問題は今でもこの亜種あるいは固有種が生き残っているかどうかです。しかし、見つかってニュースにでもなれば今度こそ本当に絶滅してしまうかもしれません。

↓ここがナタカブトムシの生息地です。バナナも生えていて… クルマもボロボロになっちゃいます。

ナタカブトムシの生息地

脚注:
[1]伊豆半島ジオパークのテーマ | 南から来た火山の贈りもの
[2]ナショナルジオグラフィック ニュース カブトムシの角は矛盾だった


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ノルマ50万本のゲーム制作前線のディレクターから新入社員育成の人事部に転落。新人相手にのんびりしていたら、ヒステリックな上司に睨まれて会社を蹴落とされ、更にのんびりとしたセカンドライフに突入。今は犬の餌作りと散歩が日課。

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熱海・伊豆半島の生物とカブトムシの亜種

日本国内に生息しているカブトムシの種類は2種、4亜種だそうですが、実はもう1種います。
亜種固有種だと思いますが、地元ではその長いツノから「ナタ」と呼ばれていました。

ヤマトカブトムシとの違いは角の長さです。普通のカブトムシに比べて2倍以上ツノが長いのです。亜種なのか変種なのか当時は分からなかったのですが、その地域では固有の名前を付けて区別されていた事と、戦前から地元では毎年一定数採取されていたことからアルビノ等の突然変異で無いことは明らかです。

↓ナタカブトムシのイメージ合成です(盛って無いですよ。ツノの先端は少し盛りました…)
カブトムシの亜種・固有種:ナタカブトムシのイメージ

熱海から南の伊豆半島はヤマトカブトムシとの交雑が進んでいる事と、その生息地が今では軽井沢のような別荘地になってしまった事から、絶滅してしまったかもしれません。しかし別荘地になってしまった生息地の奥は道も無いような深い山なので、本気になって捜索したら捕獲できる可能性は十分あります。熱海に虫捕りに行く人はいないと思いますが、熱海あたりで案外すごいカブトムシが捕れるかもしれません。

ナタカブトムシは地元の子供にも滅多に捕れないムシキングでしたが、子供の頃、父と虫捕りに行った際に一度だけ捕りたてを見たことがあります。その日、小学生の私はオオクワガタを捕まえて得意満面だったのですが、ナタには一瞬で完敗しました。
砂利道でですれ違った3人の子供に父が声をかけたのです。

「とれたあ?」
「今日は一匹だけ」

緑色の小さな虫かごに入っていたカブトムシは、小ぶりで色も赤茶色でしたがツノが胴体とほぼ同じ長さの本物のナタのオスです。
「オレははオオクワガタを捕ったどー」などと自慢できませんでした。父は子供のころから見慣れていたせいか、「ほー、ナタだな。すごいねえ」と言ってカゴから取り出して私の目の前で見せてくれました。

小さな赤いカブトムシを見て息がつまりました。本当にいたのか、日本のカブトムシにもヘラクレスオオカブトに負けない、おバカなツノを持っているすごいカブトムシが。

父は「ナタは昔から珍しくて捕れねーんだよ、毎年一人一匹ぐらいしか捕れねーんだよ。何年ぶりかなあ、25年ぶりに見た。このへんにはまだ探せばいるんだな」と。

なぜコイツはそんなに長いツノを持っているのか、なぜ日本の普通のカブトムシはツノの長さがほぼ同じなのか、小学生の私には理解出来ませんでしたが、今はネットで何でも解ります。でも当時は赤茶色の小ぶりなカブトムシに只々圧巻されたのを良く覚えています。

生息地の伊豆半島は暖かい地域なのでクワガタムシはたくさん捕れましたが、なぜかカブトムシはあまり生息していませんでした。クワガタはザクザク捕れるが、カブトムシはひと夏で2~3匹しか捕れないような地域です。伊豆半島にカブトムシが少ない理由は謎ですが、伊豆半島の成り立ちと関係があるかもしれません。

ヤマトカブトムシ

つまり、カブトムシは体が重い。体が重いので遠くまでは飛翔できない。カブトムシは自力では海を渡れない。島にカブトムシがいる場合は、流木にでもしがみついて運良く辿り着いて来た個体の子孫だと考えられる。伊豆半島は元々フィリピン海プレート上の島だった。絶海の孤島だったのです。

伊豆半島は現在の伊豆諸島 父島のようにかつては南洋にあった火山島で、プレートの北上に伴い約60万年前本州に衝突して誕生したそうです。[1]
60万年前までは本州とは隔絶された沖縄より大きな孤島だったわけですから、亜種が存在していても不思議ではありません。かつて大陸や日本と陸続きだった琉球諸島でさえ、オキナワカブトムシのような亜種が存在します。

カブトムシの雄の角は、雄同士の闘争では長い方が都合が良く、天敵から狙われるのを避けるには短い方が良いそうです。[2]
天敵とはタヌキやハシブトガラスですが、最大の天敵であるタヌキは現在でも伊豆七島には分布していません。

伊豆にはリスがたくさんいます。今ではタヌキもいます。でも伊豆諸島にはいません。伊豆諸島は100万年前はガラパゴス諸島だったのだとWikipediaから学びました。

伊豆の生物相 リス

伊豆半島の生物相が元々海洋島へ漂着した生物を起源としているのなら、伊豆半島が本州に衝突するまでの間は、天敵のタヌキが居ませんから雄同士の闘争で有利な角の長い個体が優位に立ち、どんどん角が伸びる方向に進化したとは考えられないでしょうか。

四方を海に囲まれた島という独特の条件下では種分化の速度は格段に早まるそうです。
「天敵から目立つ」という理由で程よい長さに保たれていたカブトムシの角が、天敵から身を守るという制限が無くなり、リミッターが解除されたとしたらどうなるでしょう。

雄同士の闘争に有利な角の長い個体群の遺伝子が、少なくとも60万年前までは天敵のいない一方的に有利な状態にあったとしたら胴体と同じかそれ以上に長い角を持ったカブトムシが出現しても不思議ではありません。

その遺伝子は土地に適しているので、まだ日本列島と衝突する前の大きな島では固有種として分布・定着したのでは無いでしょうか。

伊豆半島の条件をインプットしてスパコンにでも計算させてみれば上のイメージ写真以上のカブトムシが誕生するかも知れません。

問題は今でもこの亜種あるいは固有種が生き残っているかどうかです。しかし、見つかってニュースにでもなれば今度こそ本当に絶滅してしまうかもしれません。

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ナタカブトムシの生息地

脚注:
[1]伊豆半島ジオパークのテーマ | 南から来た火山の贈りもの
[2]ナショナルジオグラフィック ニュース カブトムシの角は矛盾だった


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ノルマ50万本のゲーム制作前線のディレクターから新入社員育成の人事部に転落。新人相手にのんびりしていたら、ヒステリックな上司に睨まれて会社を蹴落とされ、更にのんびりとしたセカンドライフに突入。今は犬の餌作りと散歩が日課。

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